合気道のこころ

武心を養う

合気道の原点は会津藩に密かに伝わる御式内である「大東流柔術」が原点と言われており、その技を武田惣角師から伝授された植芝盛平師が「わざ」に「心」と「気」を合わせ「合気道」と名づけた。

その植芝盛平師には7人の高弟がいましたが、そのうちの一人・富木謙治師が武術である合気道を柔道のように競技化しようと研究し、初めて早稲田大学で体育の教科として実施しました。

戦国の世では相手を殺傷することが「武術」であったが、戦国時代も終わり平穏な日が続いた頃、相手を殺傷することを目的としない「心」を磨く「武道」に変わっていきました。

その武道を競技化することによって現代武道を確立していくのが富木合気道なのです。富木謙治著の「武心を養う」に詳しく書かれているのでその本を読んでいただきたいが、ほんの一部を以下に紹介します。

~~~~~これより抜粋~~~~

武道修行の目的は、「わざ」の練習によって、健康を獲得し、行動力を強め、社会人として善き品厳正を育てることにある。このことは、「わざ」を磨くことが「こころ」を磨くことであって、現代の競技がすべてこれに該当する。

対人格闘の武道は、その実力を客観化して自分を反省するためには、最後には、「試合」を必要とする。この「試合」を「実戦の場」から「競技の場」に移して行うのが現代武道である。したがって、武道を一般格闘競技の範疇に入れることに矛盾はない。

だが、武道は歴史的術理的に深く考察するとき、暴力の存在を前提として、これに対応する心と身の備えを究明した。そして、完全防御を目的としていたので、慎重な一挙一動、さらに基本構造や格闘において著しい特性を持っている。これを理解し練習の上に生かすことがこれからの武道の進め方に大事なことである。

~~~~~以上~~~~