運足

「運足」の競技判定について

小学生低学年・高学年と中学生の合気道競技大会では「運足」の基本動作が正しくできているかを判定する競技があります。

その競技の判定基準を知ることにより、より正しい運足の理解を深めることができます。

・基本運足の判定基準・・・・無構えでの運足です。
 号令に瞬時に反応して移動し安定した自然体を作れるか
   (継ぐ足を素早く継いでいるか)
 目付け、目線の安定。
   (足元を見て下を見ない。仮想の相手がいるような目付をしているか)
 正しい足の位置、爪先の向き。
 正しい足の運び。
   (すり足ができているか。紙一枚分の空間)
 正しい姿勢。
   (常に膝を少し曲げ腰を落とし、かつ背筋をまっすぐ伸ばしている姿勢)
 正しい手の位置
   (体側腰の辺りに下段の手刀で備えて置かれているか)。
 態度の品格印象。


・応用運足(構え運足)の判定基準・・・・右構え・左構えでの運足です。
 号令に瞬時に反応して移動し合気道の構えが作れているか
 目付け、目線の安定。
   (足元を見て下を見ない。仮想の相手がいるような目付をしているか)
 正しい足の位置、爪先の向き。
 正しい足の運び。
   (すり足ができているか。紙一枚分の空間)
 正しい姿勢。
   (常に膝を少し曲げ腰を落とし、かつ背筋をまっすぐ伸ばしている姿勢)
 正しい手の位置
   (体側腰の辺りに下段の手刀で備えて置かれているか)。
 態度の品格印象。

これら運足の解説とお手本のビデオはここをご覧ください。

  



運足の稽古方法

スポーツの多くは、素早く目的の場所に移動する足の動きが大切になってきます。サッカーでもバスケでもテニスでも剣道でも柔道でも、素早く足を捌き最適なポジションに移動することが、次のプレー(技)を優位にしてくれます。

合気道もまったく同様に身体の中心をブラさずに、素早く移動する足さばきが上達のカギとなると言っても過言ではありません。

合気道の運足は、ビデオにもありますように、前後、左右、斜め前左右、斜め後ろ左右の八方向に移動する稽古法です。号令に反応して素早く移動します。号令に合わせて動くのではなく、号令がかかってから、反射的に素早く動くことが稽古になります。

少し膝を曲げて少し腰を落とした姿勢が「スタート」の姿勢になります。すべて左足から開始します。
尚、運足には「基本運足」と「応用運足(構え運足)」とがあります。

ではビデオで運足のポイントをご説明します。
画面クリックで動画


次に、実際の運足練習を見てみましょう。
画面クリックで動画

①前後に移動
「イチ!」の号令に反応して素早く左足を前に移動します。この時の動きのポイントは、前に出した左足で動くのではなく、後ろにある右足で押してやるように出て、出た瞬間に右足を左足の方に肩幅くらいに引き寄せること。

「ニ!」で元の位置に下がりますが、今度は前に出している左足で押してやるように下がりすぐに左足を右足の方に肩幅くらいに引き寄せます。「サン!」も「ニ!」と同様に下がります。

「ヨン!」で最初のスタートの姿勢に戻ります。

「ゴ!」は「イチ!」と同様に動きますが、右足前で左足で押すようにして前に移動しすばやく右足を左足の方に肩幅くらいに引き寄せます。
同様に「ロク!」、「ヒチ」と動き「ハチ」で最初のスタートの位置に戻ります。

②左右に移動
「イチ!」で左に移動。この時も左足を横に出すと言うより、右足で押して左に移動する。そして素早く右足を左足の方に肩幅くらい引き寄せる。
「ニ!」で元の位置に、「サン!」で右に移動、「ヨン!」で元の位置に戻ります。
同様に、「ゴ!」で右に移動し「ロク」で元の位置、「ヒチ」で左に移動、「ハチ」で元の位置に戻ります。


③斜め前後に移動
「イチ!」で左足を回り足で左斜め前に出し素早く右足を肩幅くらいに寄せ90度右に向く、
「ニ」で90度戻しながら元の位置に戻り、
「サン」で右足を回り足で右斜め前に出し素早く左足を肩幅くらいに寄せ90度左に向く
「ヨン」で90度戻しながら元の位置に戻る。

  
「ゴ」で右足を左斜め後ろに下げ素早く左足を肩幅くらいに寄せ90度右に向く
「ロク」で90度戻しながら元の位置に戻り、
「ヒチ」で左足を右斜め後ろに下げ素早く右足を肩幅くらいに寄せ90度左に向く
「ハチ」で90度戻しながら元の位置に戻る。


移動の歩幅は、まだ慣れていない最初の頃は、肩幅くらいの動きで稽古するとよいでしょう。だんだん素早く動けるようになってきたら、移動幅を大きくして稽古すると、さらに移動力が付きます。