手刀動作(体操)

「手刀動作(体操)」の競技判定について

小学生低学年・高学年と中学生の合気道競技大会では「手刀動作(体操)」の基本動作が正しくできているかを判定する競技があります。


その競技の判定基準を知ることにより、より正しい手刀動作の理解を深めることができます。


・手刀動作(体操)の判定基準
    号令に合わせて流れるような正しい手刀動作ができるか。
    目付、目線の安定。
      (下を見たりしない。目の前の仮想の相手に手刀を打ち込む感じ)
    正しい手刀の張り方、動かし方。
    正しい足さばき、爪先の向き。
    正しい姿勢。
      (常に膝を少し曲げ腰を落とし、かつ背筋をまっすぐ伸ばしている姿勢)
    手刀と反対の手の位置
      (体側腰の辺りに下段の手刀で備えて置かれているか)。
    態度の品格印象。


これら手刀体操(動作)の解説とお手本のビデオはここをご覧ください。



「手刀動作」の稽古方法

富木謙治先生が合気道の技を正しく習得するための手刀と身体の動きを、いろいろな技のエッセンスとして一人でできる単独運動を考案し整理されたものが「手刀動作」です。(「手刀体操」と言う場合もあります。)

手刀動作は掛け声の番号に合わせて行動しますが、意識としては手刀で相手の頭および顎、首を切るイメージで動作することです。

また、正中線を意識し手刀と身体の向きや腰の向きに注意しながら行うことが大事です。

この「手刀動作」の動作一つ一つに意識を集中して行うことにより、「技」の修得が確かなものになりますので、しっかり稽古しましょう。

では、「手刀動作」の実際の動きをビデオで見て稽古してみてください。
画面クリックで動画


次に横から見た「手刀動作」とそのポイントについてビデオを見て行きましょう。
画面クリックで動画


・第一動作
「イチ」で、左手刀を上段に構えて相手の頭上に振り下ろすと同時に、左足を前に運足。(運足、即ち左足を少し浮かす(紙1枚分)と同時に後ろの右足で押し出し、すぐに肩幅の大きさに右足を引きつける事を言ってます。以下同様)

「ニ」で手刀を正中線に立てた手首を切り下げながら(指先が下に向いていく)下段の位置に構える、同時に運足で元の位置に戻る。
「サン」で左手刀で相手の喉に「突き」をあてるように手刀を動作し、同時に左足を前に運足
「シ」で手刀を下段に収めながら元の位置に運足で戻る。

左手刀と同様に右手刀で「ゴ、ロク、ヒチ、ハチ」と行う。


・第二動作
「イチ」で上段に振り上げた左手刀を相手の左こめかみに打ち込む。同時に左足を前に運足
「ニ」で左手刀を上段の頭上に戻し運足で元の位置に戻り、
「サン」で相手の右こめかみに打ち込み同時に左足前での運足
「シ」で元の位置に運足で戻る。

左手刀と同様に右手刀で「ゴ、ロク、ヒチ、ハチ」と行う。


・第三動作
「イチ」で下段・手のひら上で構えた左手刀をスパイラル・らせん状に動作し相手の喉を切るイメージで切りだす。同時に左足前で運足で出る。
「ニ」で手刀も身体も元の位置に運足で戻り、その手刀の流れで「サン」で手刀を返し手のひら上にして内側から相手の喉を切るイメージで切り出すと同時に左足前で運足で出る。
「シ」で手刀も身体も元の位置に運足で戻る。

左手刀と同様に右手刀で「ゴ、ロク、ヒチ、ハチ」と行う。


・第四動作
「イチ」で左手刀を下段から手のひら上で相手の喉を刺すように出すと同時に、右足を前回り足を出す。
「ニ」で左手刀を返し手のひら下に、正中線を保ちながら「袈裟がけに切るように」180度転体する。
*この時、しっかり腰を転体させ完全に180度転体していることが、大変重要です。即ち手刀の位置は正中線を保っているということです。

「サン」で手刀を返し手のひら上に返し、正中線を守りながら袈裟がけに切り返し転体し「シ」で元の位置に戻る。

左手刀と同様に右手刀で「ゴ、ロク、ヒチ、ハチ」と行う。


・第五動作
「イチ」で左手刀を上段に切り上げると同時に右足を前回り足で進め180度転体する
振り上げた左手刀を「ニ」で相手の顔面を切り裂くように振り下ろすと同時に左足を右足に寄せる。
同様に「サン」で右手刀を上段に切り上げると同時に左足を前回り足で進め180度転体する
振り上げた右手刀を「シ」で相手の顔面を切り裂くように振り下ろすと同時に右足を左足に寄せて元の位置に戻る。

「ゴ」で左手刀を右の腰の方に切り込むと同時に、右足をやや左後方に下げながら「ロク」で腰の方に切ってきた左手刀を上段に構えながら転体し顔面を切り裂くように振り下ろし元の位置に戻る。正中線を維持することを常に意識する。

同様に「ヒチ」で右手刀を左の腰の方に切ると同時に、左足をやや右後方に下げながら「ハチ」で腰の方に切ってきた右手刀を上段に構えながら転体し顔面を切り裂くように振り下ろし元の位置に戻る。

以上ですが、最初は大きくゆっくりと正中線を意識しながら正確に動作することを心がけましょう!