鬼の冠(武田惣角)

著者:津本 陽  新潮出版

鬼の冠・武田惣角

合気道のルーツと言われている会津藩御式内として伝えられてきた「大東流合気柔術」。その達人・武田惣角の一生をまさに痛快映画を見るような描写で書かれおり、読んでいてとても楽しい。

武田惣角は子供のころから背が小さいが、敏捷な動きと度胸の良さで相撲は強く、会津の奉納相撲では「子ザル」と言われ人気者であった。惣角は相撲、棒術のほか、剣は小野派一刀流、直心影流を学んでいた。

直心影流は幕末最後の剣豪と言われた榊原健吉の榊原道場に入門した。榊原の地獄道場では想像を絶する厳しい試練があった。防具をつけたまま弟子たちが失神しているし、食事も新参者の惣角が食べられる頃にはほとんど残ってなく、空腹で頑張り抜かねば内弟子としてとどまれない。

そんな厳しい榊原の地獄道場での試練に耐え抜き、惣角17歳ころには立派な剣術の使い手に成長しており榊原健吉の秘蔵弟子であった。

それから惣角は日本各地に武者修行に出かけ、行く先々で死にそうな目にも合うが、いろんな使い手にも出会い成長していく様子が劇画のような話でとても楽しいと同時に武田惣角の超人的達人に胸躍らされること間違いなしです。


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