「合気」とは(「透明な力」より一部抜粋)

「合気」という言葉は武田惣角師によって明治時代から使われていた。しかし合気というものがどんなものなのか具体的に説明されていないので実態がわからないのが現実と思う。また、武田惣角師が言うには、「合気は教わるものではなく自分で掴むものだ。しかし合気を分かるには生まれ持った才能と人一倍の研究と努力が必要で、才能のない人間はいくらやっても合気はわからない。」と言っています。

私がいろいろな文献などで知る限りでは、「合気」ができるのは武田惣角師とその高弟である佐川幸義師、植芝盛平師だけで、現在の平成時代には「合気」をできる人がいないと思われます。合気は説明されてできるものではなく、やられた感じをもとに自分で考え、ものにしていくことだとすると、もう合気をできる人がいないのだから合気を習得することが極めて困難なこととなっています。

しかし、佐川幸義師のような天才的な才能を持った人が日々絶え間無い鍛錬と研究をすれば合気をやれるようになるかもしれません。


佐川幸義の父親は武田惣角師に技を習っては外で工事作業員など屈強な男たちを相手に技を試していたが、結局合気がないと頑張られたら技は効かないことを分かっていた。佐川幸義17歳の時、父親と一緒に「合気上げ」を一生懸命研究した。とにかく夢中で取り組んで、ついにどんなに強く抑えられても力を使わないで軽く手を挙げてしまうという呼吸というかコツを掴んでしまった。父親はすごく驚いていた。父親には力が抜ける理由を説明した。だから父親も敵の力を抜くことができたという。

「合気上げ」:互いに座って向かい合い。一方の人が両手で相手の両手を抑える。抑えられた方は、その両手を上に上げる。しっかり抑えられると、上げようとしてもなかなか上げることができない。どう強く抑えられても軽く自由に上げることができることを目標に稽古する。


合気がわかったら、どんな者に対しても力を使わずにできる。力が強いものはやりにくいというのでは合気ではない。合気は目の付け所が違うし、発想がまるで違うのだ。努力すればできるというものではない。

考え方がまるで違うから頭を使わなければならない。頭の悪い人は絶対にできない。それと鍛錬だ。鍛錬している人でも合気を取りにくいのに、鍛錬していないものが分かるはずがない。

合気は力でやるわけではないし、敵の力も受けないし、敵の力も出ないようにしてしまう。こういったやり方だから年をとってもできるのだ。合気がなければ年をとったらできない。

合気は集中力とか透明な力というような、いわゆる力とは違うもので、合気は敵の力を抜いてしまう技なのだ。
合気は外から見てもわからない。内部の働きで相手の力を抜いてしまい、形には現れない。もとは簡単な原理から出発しているが誰も気がつかない。

合気がわかってから本当の修行が始まるのだ。長い間の持続した鍛錬と研究の結果、少しずつできるようになってくるもの。本来うまくいかなかった時に、いろいろと考え工夫するのが一般的に上達する仕方で、それをやらなければいくらやってもダメ。諦めたら何も出てこない。考え続けていると少しずつできるようになる。

身体がちょっとでも動けば相手は力が入らなくなってしまう。ここまで鍛えなければならない。どんな動きにしろ少しでも動いたらくずしている。いかなる時でも相手を崩している。この体合気は才能があるものでも二十年、三十年やったってとてもできるものではない。才能がないものは何十年やろうと絶対にできない。

合気は開眼しなければならない。これはヒラメキだから天才ならすぐにわかってしまうかもしれないが、わからない人はいくらやってもわからないだろう。しかし合気は理が分かって何十年かの鍛錬をすれば誰でも出来るのであって気とか精神的なものではない。

合気は技術であるから年とともに上手くなっていくが、時間もかかるのです。本当に合気ができるようになるためには、血のにじむような死に物狂いの修行がいる。

合気は仮に教わったとしても一年やそこらで出来るわけがない。体を鍛えないでいろいろ考えたとしても出来るわけがない。それに合気は本来口で説明を受けるものではなく、やられた感じをもとに考え、自分のものにしていくべき種類のものなのだ。

みんな考えないで、ただ繰り返しているから、うまくいったりいかなかったりしている。とにかく全然努力が足りないのだ。どうも、皆形を真似しようとして形さえ真似できれば良いと思っているようだがそうではない。形ではなく形に現れないところに本当に大事なものがあるのだ。長い間の持続した鍛錬と研究の結果少しずつできるようになっていくものだ。

ただし、長い積み重ねがあってもできるようになる保証はない。保証は自分自身の中にしかない。


いかがでしょうか?佐川幸義師が言う「合気」をお分かりになったでしょうか?やっぱりよくわかりませんね。でも、はっきり言えることは、「技をどうしたらうまくできるかを考えて考え抜いて稽古をし鍛錬をしていくことがとても大事だ」と言うことです。そうすれば、もしかしたら貴方も合気ができるようになるかもしれません!(^_^)v

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